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【 コラム 】シニアのキャリア形成について~人生100年時代のキャリアを考える

公開日:2024年6月14日

企業からの相談で、再雇用制度の改定に関するものが増えてきました。今までの再雇用制度では大きく処遇が下がるものも多く、シニアの力を十分に活用できず、急激なモチベーションの低下が見られるという課題感をお持ちです。グローバル競争の激化、労働人口の減少、育児・介護社員の増加など、企業を取り巻く内外環境は激変しています。特に70歳までの雇用が努力義務化されたシニア従業員、およびその予備軍であるミドル従業員の活躍支援は、早々に取り組むべき課題と言えるでしょう。

シニアのキャリア形成を支援するためには、再雇用制度の問題点を理解し、解決策を見出すことが不可欠です。従来の再雇用制度の最大の問題点は、給与や待遇が大幅に下がることです。これにより、シニア従業員のモチベーションが大きく低下し、長年培ったスキルや経験を次世代に伝える意欲も減少します。このような状況では、企業全体の生産性にも悪影響を及ぼします。

再雇用制度の改定を進める上で重要なのは、シニア従業員の価値を正当に評価し、モチベーションを維持・向上させる仕組みを構築することです。シニアが持つスキルや経験を正当に評価するために、再雇用時の評価基準を見直すことが必要です。具体的には、業績や貢献度に基づく給与体系の導入や、役職や職務内容に応じた柔軟な待遇設定が求められます。

さらに、シニア従業員が自身のキャリアを選択できるように、キャリアパスの多様化を図ることも重要です。専門職としての道、メンターとしての役割、新たなプロジェクトへの参画など、シニアが自分の強みを活かしながら働ける環境を提供することが求められます。これに加えて、技術の進化に対応するために、シニア従業員にも継続的な教育や研修を提供することが必要です。デジタルスキルの習得や新しい業務プロセスの理解を深めることで、シニアが最新の技術を活用し続けられるよう支援します。

再雇用制度の見直しは、シニア従業員の活躍支援だけでなく、企業全体の意識改革も必要です。シニアの価値を再認識し、多様な世代が共に働く職場環境を整えることで、企業の持続的な成長を実現します。シニアが意欲的に働き続けることで、若手社員への良い影響を与え、組織全体の士気も向上します。

人生100年時代を迎え、シニアのキャリア形成はますます重要なテーマとなっています。再雇用制度の見直しを通じて、シニア従業員が持つ豊富な経験と知識を最大限に活用し、企業の競争力を高めることが求められます。シニアの活躍が、企業全体の成長と社会全体の発展に繋がるよう、私たちも積極的に支援していきたいと思います。

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株式会社アイデアル 山口幸子
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